書評「チーズはどこへ消えた?」

読書
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はじめに

最近、「チーズはどこへ消えた?」を読みました。

昔からよく聞く名著で読む予定はなかったのですが、本屋さんで別の本を探していた時にたまたまこの本が目に入りました。

想像よりもかなり薄い本だったので余計に内容が気になり、すぐに買って帰ることにしました。

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チーズと迷路

本書は物語風になっており、2匹のネズミ「スニッフ」「スカリー」と2人の小人「ヘム」「ホー」が登場します。

2匹のネズミと2人の小人は「チーズ」を求めて「迷路」で探し回ります。

ここで登場するチーズは、現実に当てはめると「自分が求める理想」であり、迷路は「家庭」や「学校」「職場」と重ね合わせることができます。

2匹と2人は長いこと迷路の中を探し回り、運良くチーズを見つけることができましたが、見つけたチーズを食べ続ければいずれ無くなります。新しいチーズを求めて探し回らなければなりません。

ネズミのスニッフとスカリーは、単純で非効率だけど「トライアンドエラー」を繰り返して挑戦し続ける方法でチーズを探し回ります。

一方で小人のヘムとホーは過去の経験をもとに複雑な思考で問題を解決しようとしますが、人間的な感情が邪魔をしてしまい、うまくチーズを探すことができません。

ネズミのスニッフとスカリーは食べ続ければチーズが無くなる事を知っていたので、その後どう行動するかは決まっていました。何の躊躇もなく、チーズを求めて新しい場所へ探しに行きました。

しかし小人のヘムとホーは今食べ続けているチーズが減っている事に気にも止めず、ある日全て食べ尽くした事に気づいて狼狽してしまいます。

今までチーズを食べていた場所が心地良かったので、リスクを背負ってチーズを探そうとしないヘム。

感情豊かな人間ならではの「後悔」と「現実逃避」が足を引っ張り、その場に留まろうとします。

しかしホーは現状何もしないままでは埒が開かないと考え、新しい場所でチーズを探しに行こうと決意します。

一緒に冒険に出ようとヘムに提案しますが、ヘムはチーズを食べ終わってしまったことに失望し一向に動こうとはしません。

そこでホーは、一人で恐怖と不安に駆られながらも新天地へと足を踏み出すのでした。

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正しく恐怖する

私たちならどうするでしょうか。

本書のポイントは、私たちが理想を求める度に直面する危機や大きな壁を乗り越えるときに必要な「考え方」が語られているところにあります。

いつまでも同じ状況が続くことはあり得ません。必ず「変化する」時が訪れます。

いざという時に状況の変化を受け入れ、自分が変化することを自分が受け入れられるでしょうか。

大きな仕事を任されたり責任の重いポジションについた時、きっと恐怖や不安に駆られるでしょう。

物語の一節に次のような言葉があります。

もし恐怖がなかったら、何をするだろう?

ホーは恐怖を受け入れることで心地の良い場所から離れ、新しいチーズを探し回れる勇気を手に入れました。

ネズミと違って単純思考では生きていけない私たち人間は、余計な感情がいつも付き纏います。

その感情を俯瞰しコントロールする事が、自分が変化に適応できるようになる一歩になります。

ホーはあらためて思った。人が恐れている事態は、実際は想像するほど悪くないのだ。自分の心の中につくりあげている恐怖のほうが、現実よりずっとひどいのだ。

変化に気づこう

変化する事を嫌がる人たちもいます。きっと大多数がそうではないでしょうか。

「今のままが安全だ」

そう思っているはずです。

チーズがないままでいるより、迷路に出て探した方が安全だ

もし予想外のことが起こったら、きっと狼狽えるでしょう。

何の対策もせずに大事なものにしがみつき続けた結果「そんなはずじゃなかった」と。

一歩踏み出すと、景色は変わるものです。そして不思議な事に、踏み出すことに慣れてしまうのです。

後ろを振り返った時、初めて歩き続けることが一番安全なんだと気づくことができるはずです。

早い時期に小さな変化に気づけば、やがて訪れる大きな変化にうまく適応できる

おわりに

本書は「このままじゃいけないと思っているけど勇気が出ない」「今のままでいいのだろうか」と思っている人が読むと心に刺さる言葉が多くあります。

頑張ろうと思っている人たちの背中を押してくれるお守りのような存在になってくれるはずです。

94ページしかないので、普段は本を読まない人でも1週間あれば読み切れると思います。

ぜひ、店頭やオンラインショップなどで手に取って欲しいです。

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